こんな方におすすめ
- 共働きなのに夫が家事を協力してくれない
- 自分ばかり家事の負担を強いられてこんなに辛いのに、どうして夫は協力してくれないのか分からない
共働き家庭はすでに専業主婦家庭よりも多くなっていますが、家事の分担は依然として夫よりも妻がたくさん分担しているのが現状です。
内閣府が2016年に行った社会生活基本調査によると、共働き夫婦の1週間にかける家事・育児の時間は、妻が約6時間なのに対し、夫は約1時間半となっています。
http://wwwa.cao.go.jp/wlb/government/top/hyouka/k_42/pdf/s1-2.pdf
共働きなのに、自分ばかりが家事・育児をし、夫が協力してくれないと不公平に感じ、怒りや悲しさを感じることもあると思います。
また、夫に家事分担のお願いをしても聞き入れてもらえない時は、寂しさすら感じてしまうのではないでしょうか。
共働きなのに夫が協力してくれないのには様々理由があると思います。
その理由の一つに、妻がどれだけ大変な状況に置かれているか理解していない夫が多いからではないかと考えています。
というのも、ボク自身も最初から家事・育児をしっかりできていた訳ではありませんでした。
妻が上の子を妊娠したときにつわりがひどくて家事をやらざるを得ない状況になって、家事って意外と大変だなと気づき、また下の子を妊娠したときに妻が1ヶ月ほど入院することになり仕事しながら自分一人で子供の世話と家事を全てやらなければいけない状況になり、毎日息をつく間もない生活を経験して、ワンオペの大変さを痛感しました。
ここでポイントが、家事・育児を1人でやってみる大変さは実際に経験してみないとわからないということです。
「一緒に生活していて、妻が家事・育児で忙しそうにしているのを見ているんだから大変さは分かってよ」と思うかもしれません。
ですが、ヒトの脳は都合よくできていて、妻が忙しく家事・育児をしているのを見ても、自分も協力しないといけないのを分かっていても何もしていない状況について、「妻は家事・育児を好きでやっている」あるいは「家事・育児は単純労働だからそんなに大変ではない」と正当化して認識してしまっている可能性が高いです。
心理学では「認知的不協和の解消」と言って、「協力しないといけない」と「疲れているから家事・育児をしたくない」という2つの矛盾した考えが発生したときに「協力しないといけない」という考えを変えて「協力しなくても大丈夫」という考えに変えることで、矛盾を解こうとする脳のクセがあることが知られています。
そこで、「協力しないといけない」を「協力しなくても○○だから大丈夫」と安易に変換されないためにも、家事・育児をリアルに理解してもらう必要があります。
この記事では「共働きなのに家事をしない夫たちが知らない妻の苦労」を男性目線で実体験を元に紹介していきます。
そして最後に夫がその苦労を実感としてリアルに理解してもらうためにどうすれば良いかも考えてみたので、ぜひ最後まで読んでいってください。
1.夫が知らない妻の苦労3つ
1.仕事をセーブしながら働く大変さ
共働きで小さい子供がいる家庭では、子供の保育園などの送迎を、夫が朝の送り担当で、妻がお迎え担当にしているのが主流ではないでしょうか。
担当していれば分かるかと思いますが、子供を送るのと、お迎えするのって同じように見えても、お迎えの方が段違いで大変です。
なぜなら、お迎えで早く退社するために、仕事をある程度制限しなければいけないからです。
お迎えの時間までに仕事を終わらせないといけないというプレッシャーに追われ、終わらせたとしても、周りの人がまだ働いている中、自分だけ帰ることになり、周りの視線が気になり、毎日胃をキリキリさせながら退社してる人も多いと思います。
どんなに仕事を抱えていようともお迎えにいかないといけないので、突発的な仕事が降ってこないように最新の注意を払わないといけません。
また、お迎えが遅くなって、保育園で自分の子供だけが最後まで残っていると、周りの目も気になりますし、何より子供が可哀想なので、会社を出ればダッシュでお迎えに行くことになります。
実際にやってみると、毎日トライアスロンをしているかのような目まぐるしい展開に追われます。
さらに、帰ってきてからも、夕飯の準備、食事を食べさせ、風呂に入れ、寝かしつけ、洗濯などやることは山積みです。
一方、保育園の迎えを担当したことがない人は、妻がそんなトライアスロンな毎日をこなしていること知りませんのでつい言ってしまいます。
「俺のほうが毎日残業で疲れてるんだ」
「俺だって保育園の送りをやってる」
ひどければ
「俺と同じだけ稼げれば代わってやるよ」
なんて開き直る人もいると聞きます。
開き直るのは別として、残業の方が大変だと言って家事・育児をやらなかったり、送りもやっているから大丈夫と思うのは、先にも紹介した認知的不協和を解消する傾向が少なからずあると思います。
自分がのんびり残業している裏で、お迎え担当が壮絶なレースを行なっていることを少しでも理解してほしいですね。
2.家事は単純作業だけでなく、思考や判断が求められる
家事をしない人の多くは家事を単純な作業だと思い込んでいます。
確かに家事をしていない人から見ると、家事は家を動き回ることが多いので、ただ体を動かしているだけの作業に見えるかもしれません。
したがって家事をしない夫たちは家事の負担を軽く見積もる傾向にあり、自分がやらなくても問題ないと思い込んでいたりします。
しかし、家事は意外と頭を使ったり、判断が必要だったりすることが多いですよね。
例えば洗濯にしても、一日のどのタイミングで洗濯機を回すかを考えるのは結構大変です。
小一時間回したらすぐに干さないといけないので、寝る前ではダメですし、できれば保育園から帰ってきた子供の服は毎日洗いたいと思えば、風呂の後にしなければいけません。
また、料理も思考と判断の連続ですよね。
献立を考える際は最近のメニューと被らない、かつ栄養バランスがいい物を考える必要があります。
冷蔵庫の食材の『在庫管理』をして食材の使い切りや買い出しにいく回数の削減を意識したり、買い物に行く際も週の中でどのタイミングで行くか『タイムスケジュール管理』が必要です。
調理の順番も、洗い物を減らすための工夫や、なるべく出来立てで温かいうちに家族に食べさせるための手順を考えたりします。
他の家事もあげればキリがないのですが、家事は頭を使う上に体を動かす必要があるので、想像以上に疲れます。
そんなことも知らない人は、妻が一生懸命家事をしているのを見て、「妻はこだわりがあるので、家事を自分でしたい」と思い込んだりします。
また、家事の協力をお願いしても「何をすればいいの?」と自分で考えずに、言われたことだけをやって、それだけで「自分は家事をしっかりやっている」とアピールされても、何もわかっていないなと不満が貯まってしまいます。
3.妻だって自分時間がほしい
家事をしない人たちは自分の自由時間を死守しようとします。
朝早くから働いて夜遅くまで残業していれば、自由な時間が欲しいと思う気持ちは分からなくもありませんが、彼らはあることに気づいていません。
自分たちの自由時間は妻の自由時間を犠牲にして成り立っている事を。
夫たちがスマホやゲームをイジって気分転換している間、妻が夫の分を含め家事・育児に追われているを見ても、『妻は家事を好きでやっている』と勝手に解釈し自己正当化している可能性があります。
2.妻の苦労を実感として理解してもらうための方法
これまで紹介してきたような夫の勝手な思い込みを解消するには、「家事・育児は大変で協力しないといけない」と認識してもらうには、夫が「やらざるを得ない状況」を作り出すことが必要だと思います。
ボクもなるべく家事・育児の大変さを理解しようとしていたつもりでしたが、「妻がつわりで動けない」」「妻が入院していない」という「自分でやらざるを得ない状況」になって初めて実感したことがたくさんありました。
ですので、夫に子供を預けて1日出かけてみるのがいいと思います。
夫婦の事情でそんなこと頼めないという方は、例えば、熱があると言って週末は寝込んでみたり、実家に協力してもらって親が倒れたので出かけないといけない状況を作って見るのもありだと思います。
嘘をつくことになりますが、頼んでもやってくれない・頼めないような状況であれば、自分の子供の世話や家事をしてもらうために多少の嘘をつくのは許容範囲ではないでしょうか。
ちょっと強引かもしれませんが、一番の対処法は実際にやらせてみることなので、やってみる価値はあると思います。
夫も一度、その大変さに気付けば家事・育児分担の話し合いも応じやすくなると思います。
今の状況を打破するには行動が重要になるかと思います。
4.まとめ
以上、夫が知らない共働き妻の苦労を紹介しました。
妻側からすれば、毎日忙しく動き回ってるんだから、言わなくても理解してよ、と思うかもしれませんが、夫はやったことがないので理解するのは難しいと思います。
かといって話せば理解してくれるかというと、先ほども書いたように、夫は妻が忙しく動き回ってるのを知りながら、勝手に自己正当化する解釈しているので、すんなり理解してくれる可能性は低いと考えます。
夫がそのように考えているという可能性を認識できれば対処法も浮かんでくると思います。
共働きであればやっぱり家事・育児は分担すべきなので、この記事でも紹介した苦労を知ってもらうための方法も参考に、打開策を実行してみてください!